あとがき

長い話を最後まで読んでくださってどうもありがとうございました。
また、連載中に応援してくださった皆様本当にありがとうございました。
おかげさまで、なんとか完結までこぎつくことができました。

「WOLF(北の狼)」の連載を最初にアップしたのが2006年3月。
そして最終ページをアップできたのが2009年10月…ですから、3年7カ月をかけての大作となりました。
計算してみると、1カ月に10ページ弱をコンスタントにこなしてきたことになりますから、
仕事をしながらのペースとしてはなかなかのもの。
漫画を描いたことがある人ならこのペースがいかに困難かはお分かりいただけると思います。
漫画を描き始めてから代表作と呼べるような作品を持っていなかった私にとって、
まぎれもなくこの「WOLF(北の狼)」が今現在の私の代表作と胸を張れる作品になったと思います。

私が最初にこの漫画のストーリーを思い描いたときは、
「これは傑作ができる!俺って天才!」(最初に発想が降りてきたときっていつもこう思うのですが…)なんて考えました。
実際、すぐにでも出版社からのオファーがあって雑誌に連載。単行本化なんて夢を持っていたのですが、現実はそんなに甘くはないようでした。
でも、コツコツと連載を続けてきたことは無意味だったとは思っていません。
最初の方の絵とラストの方の絵を見比べれば確実に絵の力はアップしたのは自分でも分かりますし、 たくさんの読者の方の感想からもはっきりとした手応えは感じられました。

いまはちょっと休憩したいと思います。
でも、この3年7ヶ月の大変だったけど充実した毎日の記憶は、きっとまた私を次の作品へ駆り立てるエネルギーになるんだろうと思います。
「WOLF(北の狼)」の内容についてもちょっと触れときましょう。
私の年齢からしても、どうしても主人公よりお父さんの方に思い入れが強くなってしまったようです。
そのぶん主人公の魅力を引出すことに思いがいたらなかったかもしれません。
最初はもっと前(父親との試合が決着つくあたり)で最終回にしようと思っていたのですが、
なんだかお母さんに最後にスポットを当ててあげたくなってしまいました。
でも、これはこれで必要な心安らぐラストになったような気がします。

長くなってしまいました。
最後にもう一度、応援ありがとうございました!
また、次回作でお目にかかりましょう!

以上、ここまでのあとがきは連載終了時のものです。
その後、この作品はアメリカの出版社より世界に向けて販売されるという、それこそ夢のような展開となりました。
現在でも、英語版ほか多数の言語に翻訳され、世界の人の目に触れる作品となっています。

漫画家を目指す皆さん、漫画は今や世界が注目する一大コンテンツとなっています。
とくにきめ細かな人間ドラマを含むストーリーを描ける日本の漫画は、
世界中にファンがおり、日本の才能あふれる漫画家の作品の出現を心待ちにしています。
ちなみに、私はすでに60歳を超えています。
こんな年寄りでも世界に台頭できるチャンスがあるのです。

これだから人生はおもしろい!

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